第二の建国 nation-building 2003 6 1

国を建国する時は、手順があります。
気持ちが焦るあまり、いろいろなことに手をつけたくなるものです。
しかし、物事には手順があります。
ましてや、国を建国するときは、
階段を登るがごとく、確実に手順を踏むことです。

1 国防を確立すること。
2 治安を確立すること。
3 教育を確立すること。
4 経済を確立すること。
5 文化を確立すること。

「第二の建国」の途上にある日本が、今、どの段階にあるかは、
識者の仕事でしょうが、
国民のみんなが、国防や経済の問題に、あまりに時間がかかっている間に、
日本の、世界の、未来の、芸術を演出する芸術家たちの卵が今、
羽ばたこうとしています。
その翼は、まだ心許ないが、しかし、翼は、その背にすでにあるのです。
芸術的センスのない人は、何も感じないでしょうが、
私には、多くの絵を見て、多くの音を聞いて、
この地に、新しいルネッサンスが始まろうとしていることを強く感じます。
絵については、その傾向が顕著です。
新しい画風や、新しい表現技法が始まりつつあるのです。
今は名もなく、今は価値が低いけれど、
後の世には、大きな潮流となって、新しい価値を残すことになるのです。
経済はいくら発展しても、百年も残りません。
しかし、芸術は、千年以上、残ります。
千年というスケールで考えた時、芸術がいかに重要か、わかります。
日本の国も、あと数百年で没落するでしょう。
しかし、今、芸術を残せば、遅れてくる子孫たちは、
それで食べていくことができます。
まず、芸術で、千年王国を作ることです。
絵もそうですし、後世に残る建造物もそうです。
永遠のギリシャを日本に建てる。
永遠のローマを日本に建てる。
芸術とは、永遠の今を生きることなのです。
こうすることで、遅れてくる子孫が食べていけることになるのです。
 また、芸術は、世界共通語です。
言葉は通じないが、絵や音楽は、世界共通語なのです。
 さて、ある時、ある秋、山の、奥深くの、レストランで、
山の魚の、香草焼きを食べました。
山の魚を、集めてきた美しい落ち葉でくるんで、
ゆっくりと、山の魚を焼いたのです。
食べる方は、その美しい落ち葉を一枚、一枚、取り除きながら、
秋を感じて、食を楽しむのです。
美しい落ち葉の中から、芳しき山の魚が出てくるのです。
原価は安いのでしょうが、その価値は大きい。
食事の終わりに、値段のつけられない価値を感じました。
料理に芸術性がない国は、やがて傾く。
それは、職人の努力や技術を認めないからです。